聖別(ἁγιωσύνης<hagiōsynēs>)―ローマ1:4
【回復訳】 ローマ1:4 聖別の霊によれば、死人の復活から、力の中で神の御子と明示されたわたしたちの主イエス・キリストです.
その他の翻訳は「hagiōsynēs」を「聖なる」「聖い」「聖さの」と訳しています。日本語訳聖書の比較はこちらのサイトから参照いただけます。
ギリシャ語
τοῦ ὁρισθέντος Υἱοῦ Θεοῦ ἐν δυνάμει κατὰ πνεῦμα ἁγιωσύνης ἐξ ἀναστάσεως νεκρῶν, Ἰησοῦ Χριστοῦ τοῦ Κυρίου ἡμῶν,(Nestle 1904)
Strong's Concordance
hagiósuné: holiness
Original Word: ἁγιωσύνη, ης, ἡ
Part of Speech: Noun, Feminine
Transliteration: hagiósuné
Phonetic Spelling: (hag-ee-o-soo'-nay)
Definition: holiness
Usage: a holy or sanctified state.
解説
『ここの聖別の霊は、3節の肉と対照的です。3節の肉は、肉におけるキリストの人の性質を指しています。同じように、この節の霊は、神の聖霊のパースンではなく、キリストの神聖な本質を指しています。キリストのこの神聖な本質は、その霊なる神ご自身(ヨハネ4:24)、キリストの神性であって、聖であり、聖なる性質と特質に満ちています。』(回復訳聖書 ローマ1:4フットノート4)
『本書の中の「聖」という言葉は、ギリシャ語ではハギオス(hagios)、ハギオスネ(hagiosune)、ハギアゾー(hagiazo)、ハギアスモス(hagiasmos)が使われています。これらはみな同じ語根であり、基本的には「分離された」、「取り分けられた」を意味します。ハギオスは、「聖」(2節.5:5.7:12.9:1.11:16.14:17.15:13、16)、「聖なる」(12:1)、「聖い」(16:16)、「聖徒」(7節.8:27.12:13.15:25、26、31.16:15)と訳されています。ハギオスネは、「聖別」(4節)と訳されています。ハギアゾーは動詞で、「聖別されて」(15:16)と訳されています。ハギアスモスは、「聖別」(6:19、22)と訳されています。ですから、聖となるとは、分離される、(神に)取り分けられることです。聖徒は選び分けられた者、(神に)取り分けられた者です。聖は、聖であることの性質、特性です。(神への)聖別は、聖別されることから生じる実際的な効果、行動の特徴、究極の状態です。』(回復訳聖書ローマ1:2フットノート3)
補足
ローマ人への手紙における命と聖別
ローマ人への手紙の最初の七章半で、命という言葉が何度も使われています。この命はおもに聖別のためです。この命によって、キリストはわたしたちに広がり、浸透し、神の聖なる性質をわたしたちの中に注入して、わたしたちを性情において聖とします。聖書の他の書で、血による聖別の記述を見いだし、キリストの血がわたしたちを聖別したと告げられています(へブル十三・十二)。しかしながら、ローマ人への手紙では聖別のこの面を見いだしません。ローマ人への手紙では、血による客観的な聖別ではなく、命の中の主観的な聖別があります。ですから、このメッセージは命の中の聖別に関してです。こうして、わたしたちはこの命の事柄を述べている幾つかの節を読み、考察する必要があります。
第一章四節で、パウロはキリストについて語り、彼は「聖別の霊によれば、死人の復活から、力の中で神の御子と明示されたわたしたちの主イエス・キリスト」であると言います。ここの「聖別の霊」は、第一章三節の「肉」と対照的です。第一章三節の肉がキリストの人の本質を言っているように、この節の霊は、聖霊のパースンではなく、キリストの神聖な本質を言っており、それは「神たる方の全豊満」です(コロサイ2:9)。キリストのこの神聖な本質は、その霊なる神ご自身であり(ヨハネ4:24)、聖であって、聖なる性質と特質に満ちています。キリストは二つの性質、人の性質と神の性質を持っておられます。それぞれの性質に本質があります。彼の人の性質の本質、彼の人性は肉です。彼の神聖の本質は聖別の霊です。ですから、ここの聖別の霊は、キリストのパースンの神聖な本質です。この本質は聖です。
(新約ライフスタディ ローマ人への手紙 第十七編「命における聖別」より抜粋)