成長し(αὐξάνω<auxanó>)―使徒12:24
【回復訳】 使徒12:24 しかし、神の言は成長し、また増し加わった。
他の日本語訳は「auxanó」を「広がって」「広まって」(塚本訳は「成長し」)と訳しています。 日本語訳聖書の比較はこちらのサイトから参照いただけます。
ギリシャ語
Ὁ δὲ λόγος τοῦ Κυρίου ηὔξανεν καὶ ἐπληθύνετο.(Nestle 1904)
Strong's Concordance
auxanó: to make to grow, to grow
Original Word: αὐξάνω
Part of Speech: Verb
Transliteration: auxanó
Phonetic Spelling: (owx-an'-o)
Definition: to make to grow, to grow
Usage: (a) I cause to increase, become greater (b) I increase, grow.
解説
『「成長し」は、命における成長のことを言っています。これは、神の言葉が命の事柄であって、人の心の中にまかれた種として成長することを示しています(マルコ4:14)。』(回復訳聖書 使徒6:7フットノート1)
補足
神の言葉は成長しまた増し加わる
最後に第十二章二四節は言います、「しかし神の言は成長しまた増し加わった」。前の節はヘロデが虫に食われて息絶えたと言っています。そしてこの節は、「しかし」で始まります。ヘロデは息絶えました。しかし、神の言葉は成長しました。神の言葉は、実は主ご自身です。なぜなら、言葉は主の容器であるからです。ですから、神の言葉が成長することは、実は主が成長されたことを意味します。
使徒行伝第十二章二四節は、神の言葉が成長しただけでなく、また増し加わったと言います。言葉はそれ自身で成長し増し加わることはありません。そうではなく、言葉は信者たちと共に成長し、召会と共に増し加わります。信者たちが成長するとき、彼らの内側の言葉は成長します。諸召会が増し加わるとき、言葉は諸召会の内側で増し加わります。神の言葉が成長し増し加わったという事実は、昔、信者たちと諸召会が言葉で満たされ、言葉と一であったことを示します。これは、邪悪な者に対する戦いにおける主の勝利の強力なしるしです。
第十二章二四節における言葉の成長と増し加わりは、ペテロの務めの結果、成果でした。ですからこの節は、ペテロの務めが勝利のうちに締めくくられたことを示します。使徒行伝における彼の務めに関する最後の言葉は、神の言葉が成長し、増し加わったということです。これはペテロの務めの栄光なる勝利の終結です。
さらにこの節はエルサレムから、サマリアを経て異邦人世界へと向かう地上での主の行動の宣言です。第二章から第十二章の終わりまでの主の行動は、その状況に対する絶対的な勝利でした。復活したキリストを増殖させる彼の務めにおける行動は、ユダヤ宗教に対してだけでなく、ローマ政治に対しても勝利でした。
使徒行伝におけるペテロの務めについての記録が勝利の方法で結んでいるのでわたしたちはペテロを軽視するべきではありません。新約ははっきりと、ペテロは割礼の者のためだけに立てられたが、パウロは無割礼の者のために立てられたと言っています。彼らは新約の務めの二つの領域にいました。使徒行伝の記録への挿入として、第十二章一節から二四節は、神の行動がすべての環境において勝利であることを証明します。
(新約ライフスタディ使徒行伝(一)391-392ページ)