わたしの霊の中で(ἐν τῷ πνεύματί μου<en tō pneumati mou>)―ローマ1:9
【回復訳】 ローマ1:9 わたしがわたしの霊の中で、御子の福音において仕えている神が、わたしの証人なのですが、わたしはいつも祈りの中で、あなたがたのことを絶えず覚えていて、
その他の翻訳は「en」を「から」「において」「によって」「をもって」「により」と訳しています。聖書協会共同訳、フランシスコ会訳、新共同訳は「pneumati」を「心」と訳しています。回復訳聖書と同じく岩波翻訳委員会訳、前田訳は「pneumati mou」を「私の霊」、「わが霊」と訳しています。日本語訳聖書の比較はこちらのサイトから参照いただけます。
ギリシャ語
μάρτυς γάρ μού ἐστιν ὁ Θεός, ᾧ λατρεύω ἐν τῷ πνεύματί μου ἐν τῷ εὐαγγελίῳ τοῦ Υἱοῦ αὐτοῦ, ὡς ἀδιαλείπτως μνείαν ὑμῶν ποιοῦμαι(Nestle 1904)
Strong's Concordance
en: in, on, at, by, with
Original Word: ἐν
Part of Speech: Preposition
Transliteration: en
Phonetic Spelling: (en)
Definition: in, on, at, by, with
Usage: in, on, among.
Strong's Concordance
pneuma: wind, spirit
Original Word: πνεῦμα, ατος, τό
Part of Speech: Noun, Neuter
Transliteration: pneuma
Phonetic Spelling: (pnyoo'-mah)
Definition: wind, spirit
Usage: wind, breath, spirit.
Strong's Concordance
egó: I (only expressed when emphatic)
Original Word: ἐγώ
Part of Speech: Personal Pronoun
Transliteration: egó
Phonetic Spelling: (eg-o')
Definition: I (only expressed when emphatic)
Usage: I, the first-person pronoun.
解説
『神の霊ではなく、パウロの再生された霊です。霊は、心、魂、思い、感情、意志、天然の命とは違います。キリストとその霊は、信者たちの再生された人の霊の中で、信者たちと共におられます(Ⅱテモテ4:22.ローマ8:16)。本書でパウロは、わたしたちであるすべて(2:29.8:5-6、9)、わたしたちが持っているすべて(8:10、16)、わたしたちが神に対して行なうすべて(9節.7:6.8:4、13.12:11)が、この霊の中でなければならないことを強調しました。パウロが神に仕えたのは、彼の再生された霊の中で、内住するキリスト、命を与える霊によってであって、彼の魂の中で、魂の力と能力によってではありませんでした。これは、彼の福音の宣べ伝えにおける、第一の重要な項目です。』(回復訳聖書 ローマ1:9フットノート2)
補足
霊の中で
この福音は霊の中で宣べ伝えられます( ローマ1:9)。霊という言葉が、ここでは小文字で始まっていることに注意してください。ですから、それは聖霊のことではありません。すべてのクリスチャンは、福音を宣べ伝えるために聖霊の中にいなければならないことを信じています。しかしながら、わたしはだれかが、わたしたちは自分の霊の中にいなければならないと言っているのを、決して聞いたことがありません。しかしパウロは、わたしたちは自分の霊の中にいる必要があると言っています。福音を宣ベ伝えることは、わたしたちの霊にかかっています。パウロは、自分は霊の中で、御子の福音において神に仕えていると言いました。福音を宣ベ伝える時、何の策略も使うべきではありません。わたしたちは自分の霊を活用すベきです。
なぜローマ人への手紙でだけ、パウロは彼の霊の中で神に仕えると言うのでしょうか? それは、彼がこの書の中で、かたくなに霊以外の何かの中に――文字の中、形式の中、教理の中にいる宗教的な者たちと論じ合っているからです。ローマ人への手紙でパウロは、わたしたちが神に対して何をするにしても、わたしたちの霊の中でなされなければならないこと、わたしたちが何であるにしても霊の中にいなければならないこと、わたしたちが何を持つにしても霊の中でなければならないことを、論じています。第二章二九節で彼は、本物の神の民は霊の中にいなければならない、真の割礼は肉における外側のものではなく、霊の中にあると言っています。第七章六節で彼は、わたしたちは霊の新しさの中で神に仕えなければならないと言っています。パウロはローマ人への手紙で十一回、わたしたちの人の霊に言及しています。最後の例は第十二章十一節にあり、彼はそこで、わたしたちは霊の中で燃えていなければならないと言っています。神の福音を宣べ伝えることは絶対に、わたしたちの霊の事柄です。
(新約ライフスタディ ローマ人への手紙 第二編「神の福音」より抜粋)