魂の命(ψυχή<psuché>―ルカ17:33)
【回復訳】 すべて自分の魂の命を保とうとする者はそれを失い、すべて魂の命を失う者はそれを生かす。
【KG訳】 自分の命を救おうとするものは、それを失い、それを失うものは、保つのである。
【SK訳】 自分のいのちを救おうと努める者はそれを失い、それを失う者はいのちを保ちます。
【SKD訳】 自分の命を生かそうと努める者は、それを失い、それを失う者は、かえって保つのである。
【IN訳】 自分のいのちを保つことを求める者は、それを滅ぼすだろう。しかし、自分のいのちを滅ぼす者は、それを生かすだろう。
ギリシャ語
ὃς ἐὰν ζητήσῃ τὴν ψυχὴν αὐτοῦ περιποιήσασθαι, ἀπολέσει αὐτήν, καὶ ὃς ἂν ἀπολέσει, ζωογονήσει αὐτήν.(Nestle 1904)
Strong's Concordance
psuché: breath, the soul
Original Word: ψυχή, ῆς, ἡ
Part of Speech: Noun, Feminine
Transliteration: psuché
Phonetic Spelling: (psoo-khay')
Definition: breath, the soul
Usage: (a) the vital breath, breath of life, (b) the human soul, (c) the soul as the seat of affections and will, (d) the self, (e) a human person, an individual.
解説
『わたしたちの魂の命を保持していることは、31節で言われた、地的で物質的な事柄の中でぐずぐずしていることと関係があります。わたしたちはこの時代で魂の享受を好むので、地的な事柄の中でぐずぐずします。これは、わたしたちの魂を失わせます。すなわち、わたしたちの魂は、来たるべき王国の時代での享受にあずかることができない、という結果になります。』(ルカ17:33フットノート1)
『魂の命を見いだすとは、魂に享受を持たせ、苦しみを逃れることです。魂の命を失うとは、魂に享受を失わせ、それによって苦しむことです。もし天の王に従う者たちがこの時代に、彼らの魂に享受を持たせるなら、来たるべき王国時代に、彼らの魂に享受を失わせることになります。彼らが王のために、この時代に魂に享受を失わせるなら、来たるべき王国時代に、魂に享受を得させます。すなわち、地を支配することで、王の喜びにあずかります(マタイ25:21、23)。』(マタイ10: 39フットノート1)
補足
『ギリシャ語は「プシュケ(psuche)」、魂。すなわち魂の命であり、後の節も同じです。主は人として、プシュケの命、人の命を持っておられ、神として、ゾーエの命、神聖な命を持っておられます。彼はご自身の魂、プシュケの命、人の命を捨てて、彼の羊のために贖いを達成されました(ヨハネ10:15、17-18節)。それは、彼らが彼のゾーエの命、彼の神聖な命(10節後半)、永遠の命(28節)にあずかり、それによって一人の牧者である主ご自身の下で、一つの群れへと形成されるためです。良い牧者として、主はこのようにして、またこの目的で、神聖な命をもって彼の羊を養われます。』(ヨハネ10:11フットノート1)