父へ(πρός τὸν Πατέρα<pros ton Patera>)―ヨハネ20:17
【回復訳】 ヨハネ20:17 イエスは彼女に言われた、「わたしに触ってはいけない.わたしはまだ父へ昇っていないのだから.ただ、わたしの兄弟たちの所へ行って、『わたしはわたしの父、またあなたがたの父、わたしの神、またあなたがたの神へ昇る』と彼らに言いなさい」。
ここの「pros ton Patera」を他の日本語訳聖書は「父の(み)もとに」と訳しています。日本語訳聖書の比較はこちらのサイトから参照いただけます。
ギリシャ語
λέγει αὐτῇ Ἰησοῦς Μή μου ἅπτου, οὔπω γὰρ ἀναβέβηκα πρὸς τὸν Πατέρα· πορεύου δὲ πρὸς τοὺς ἀδελφούς μου καὶ εἰπὲ αὐτοῖς Ἀναβαίνω πρὸς τὸν Πατέρα μου καὶ Πατέρα ὑμῶν καὶ Θεόν μου καὶ Θεὸν ὑμῶν.(Nestle 1904)
Strong's Concordance
pros: advantageous for, at (denotes local proximity), toward (denotes motion toward a place)
Original Word: πρός
Part of Speech: Preposition
Transliteration: pros
Phonetic Spelling: (pros)
Definition: advantageous for, at (denotes local proximity), toward (denotes motion toward a place)
Usage: to, towards, with.
解説
『主は復活の日に、御父へ昇られました。これは秘密の昇天であり、第16章7節で行くと予言されたことの究極的成就です。それは、弟子たちの目の前で起こった彼の公の昇天(使徒1:9-11)より、四十日前のことです。復活の日、朝早く、彼は昇天して御父を満足させ、そして夕方、弟子たちのいた所に戻って来られました(ヨハネ20:19)。彼の復活の新鮮さは、まず父の享受のためでなければなりません。それは、予表において、収穫物の初穂がまず神にもたらされたのと同じです。』(回復訳聖書ヨハネ20:17フットノート1)
補足
『この福音書で、第1章から第13章の第一区分は、神ご自身としての主が、どのように神の御子として、肉体と成ることを通して来て、神を人の中にもたらし、彼が人の命となって召会を生み出されるかを記述しています。第14章から第21章の第二区分は、主が人の子として、どのように死と復活を経過し、人を神の中へともたらして、人と神、神と人が共に建造されて、相互の住まいとなるかを記述しています。この章は、第一区分の終わりであって、その境となる章であり、転換点となります。』(回復訳聖書ヨハネ 13:1 フットノート1)
『この章での主の意図は、人を神の中にもたらして、神の住まいを建造することでした。しかし人と神との間には、多くの障害物があります。例えば、単数の罪、複数の罪、死、この世、肉、自己、古い人、サタンなどです。主は人を神の中にもたらすために、これらすべての問題を解決しなければなりませんでした。ですから、彼は十字架に行って、贖いを成し遂げなければなりません。それは、彼が人のために道を開き、人が神の中に入る立場を作るためです。神の中で立場が拡大されたものが、キリストのからだの中の立場です。だれでも神の中にその立場、場所を持たなければ、キリストのからだ、すなわち神の住まいの中に立場はありません。ですから、主が行って、贖いを成し遂げられるのは、弟子たちのために、彼のからだの中に場所を用意するためです。』(回復訳聖書ヨハネ 14:3 フットノート2)