人(ἀνήρ<anér>)―使徒2:22
【回復訳】 使徒2:22 イスラエルの人たちよ、これらの言を聞きなさい.ナザレ人イエスは、神があなたがたの中で、彼を通して行なわれた力あるわざと不思議としるしとにより、神によってあなたがたに証明された人です.それは、あなたがた自身が知っているとおりです.
ここの「anér」を岩波訳は回復訳聖書と同じく「人」と訳しています。他の日本語訳聖書は「方」「者」と訳しています。日本語訳聖書の比較はこちらのサイトから参照いただけます。
ギリシャ語
Ἄνδρες Ἰσραηλεῖται, ἀκούσατε τοὺς λόγους τούτους· Ἰησοῦν τὸν Ναζωραῖον, ἄνδρα ἀποδεδειγμένον ἀπὸ τοῦ Θεοῦ εἰς ὑμᾶς δυνάμεσι καὶ τέρασι καὶ σημείοις, οἷς ἐποίησεν δι’ αὐτοῦ ὁ Θεὸς ἐν μέσῳ ὑμῶν, καθὼς αὐτοὶ οἴδατε,(Nestle 1904)
Strong's Concordance
anér: a man
Original Word: ἀνήρ, ἀνδρός, ὁ
Part of Speech: Noun, Masculine
Transliteration: anér
Phonetic Spelling: (an'-ayr)
Definition: a man
Usage: a male human being; a man, husband.
解説
『使徒たちが語った福音の宣べ伝えの最初のメッセージは、ひとりの人に焦点づけられています。ルカは彼の福音書で、この人を読者に提示しました。それは、彼が胎に入ることから、彼の誕生、幼年期、地上の生活、死、復活を経て、彼の昇天に至っています。ここで、ルカはさらに進んで、この人が神の定められた救い主として、使徒たちによって宣べ伝えられたことを、わたしたちに告げています。』(回復訳聖書 使徒2:22フットノート2)
補足
『聖霊から胎に入り、人の処女から生まれたイエスは、いと高き神の子です。それと同時に、彼は王ダビデという高い位の人の子です(マタイ1:1.22:45)。彼の身分は神性と人性の両方です。』(回復訳聖書 ルカ1:32フットノート2)
『…ルカによる福音書は、堕落した人類に対する神の救いの恵みにおける、人と共にいた神を啓示します。その目的は、真の、正常な、完全な人としての救い主を提示することです。ルカによる福音書は、イエスの両親から人類の一代目、アダムへとさかのぼって記されている、人イエスの完全な系図を与えます。それは、彼が真に人の子孫であること、すなわち、真に人の子であることを見せています(参照、マタイ1:1のノート1の第二段落と第三段落)。この人の生涯の記録は、彼の人性に欠けるところがなく、それが完全であったことをわたしたちに印象づけます。ですから、この福音書は、人・救い主としての主を強調します。この福音書は、すべての人に適用する道徳的原則に基づいており、福音のメッセージを、第4章16節から21節、第7章41節から43節、第12章14節から21節、第13章2節から5節で、福音のたとえを、第10章30節から37節、第14章16節から24節、第15章3節から32節、第18章9節から14節で、福音の事例を、第7章36節から50節、第13章10節から17節、第16章19節から31節、第19章1節から10節、第23章39節から43節で提示しています。これらは、他の福音書には記録されていません。ルカは、マタイが強調しているように時代に関すること、あるいはユダヤ的背景を強調していません。これは、一般の人類に対して書かれた福音書であって、すべての民に良きおとずれを伝えます(2:10)。その特徴は、それが絶対にユダヤ的ではなく、異邦人的であることです(4:25-28)。これはすべての罪人、すなわちユダヤ人と異邦人の両方に与えられた福音書です。ですから、この記録の順序は、歴史によってではなく、道徳にしたがっています。マタイ第8章16節のノート1の第二段落と、マルコ第14章20節のノート1を参照。』(回復訳聖書 ルカ1:3フットノート1抜粋 )