神よ、罪人のわたしに対して、なだめとなってください!:回復訳聖書と他の日本語訳との比較(98)

なだめとなる(ἱλάσκομαι<hilaskomai>―ルカ18:13)

【回復訳】 ところが、取税人は離れて立ち、目を天に向けることもしないで、胸を打ちながら言った、『神よ、罪人のわたしに対して、なだめとなってください!』。
【KG訳】 ところが、取税人は遠く離れて立ち、目を天にむけようともしないで、胸を打ちながら言った、『神様、罪人のわたしをおゆるしください』と。
【SK訳】 ところが、取税人は遠く離れて立ち、目を天に向けようともせず、自分の胸をたたいて言った。『神さま。こんな罪人の私をあわれんでください。』
【SKD訳】 ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。『神様、罪人のわたしを憐れんでください。』
【IN訳】 一方徴税人の方は、遠くに立ったまま、目を天に上げようともせず、むしろ自分の胸を叩き続けて言った、『神よ、罪人なる私にお慈悲を』。

ギリシャ語

ὁ δὲ τελώνης μακρόθεν ἑστὼς οὐκ ἤθελεν οὐδὲ τοὺς ὀφθαλμοὺς ἐπᾶραι εἰς τὸν οὐρανόν, ἀλλ’ ἔτυπτεν τὸ στῆθος αὐτοῦ λέγων Ὁ Θεός, ἱλάσθητί μοι τῷ ἁμαρτωλῷ.(Nestle 1904)

Strong’s Concordance
hilaskomai: to be propitious, make propitiation for
Original Word: ἱλάσκομαι
Part of Speech: Verb
Transliteration: hilaskomai
Phonetic Spelling: (hil-as’-kom-ahee)
Definition: to be propitious, make propitiation for
Usage: (a) I have mercy on, show favor to, (b) trans. with object of sins: I forgive, pardon.

こちらのサイトを引用させて頂きました:Bible Hub

解説

『取税人は、自分の罪深さがいかに神を怒らせるかを認識していました。ですから彼は、神がなだめられること、罪のためのなだめの供え物によって自分に対して和らいでくださることを、神に求めました。それは、神が彼に対してあわれみ深く、また恵み深くあるためです(参照、ローマ3:25のノート2、ヘブル2:17のノート4、Ⅰヨハネ2:2のノート1)。』(ルカ18:13フットノート1

補足

『なだめの場所は、出エジプト記第25章17節で、契約の箱の上の、罪を覆う蓋で予表されています。契約の箱は、神が民と会われる場所でした。契約の箱の中には、十戒の律法がありました。それは、その聖と義の要求によって、神に触れるために来た民の罪を暴露し、罪定めしました。しかしながら、罪を覆う日に、契約の箱の蓋の上に罪を覆う血が振りかけられることによって、罪人の側の状態がすべて、完全に覆われました。ですから、罪を覆うこの蓋の上で、神は彼の義の律法を破った民と会うことができました。神はこれを、行政上、彼の義に何の矛盾もなく、神の栄光を担い、その契約の箱の蓋を覆っていたケルビムが見つめている下でさえ、行なうことができました。こうして、人と神との間の問題は和らげられました。神は人を赦し、人に対してあわれみ深くあり、それによって、神の恵みを人に与えることができるようになったのです。これは、キリストが神の小羊として、人が神に対して問題を引き起こす罪を取り除き(ヨハネ1:29)、こうして神の聖、義、栄光の要求すべてを満たし、人と神との間の関係を和らげることの予表です。こういうわけで、人がかつて引き起こした罪を、神は過ぎ越すことができたのです。神は彼の義を明らかに示すために、これを行なわなければなりませんでした。これが、この節で言っていることです。
 契約の箱の蓋は、ヘブル語ではカポレス(kapporeth)で、その元の意味は「覆う」です。七十人訳では、この言葉をヒラステリオン(hilasterion)と訳しており、これは「なだめの場所」を意味します(「なだめ」は赦し、あわれむことを暗示します―「なだめの」(ヘブル8:12)と訳された言葉は、ヒラステリオンの語根で、「なだめられた」(ルカ18:13)と訳された言葉は、この語根から派生したものです)。キング・ジェームズ訳は、「あわれみの座」(mercy seat)という訳を採用し、神が人にあわれみを与える場所のことを言っています。パウロはヘブル人への手紙第9章5節でも、契約の箱の蓋を言うのに「ヒラステリオン」という言葉を用いています。ローマ人への手紙第3章25節でも同じ言葉、「ヒラステリオン」が使われていて、契約の箱の蓋が、神によって立てられたなだめの場所としてのキリストを予表することを示しています。
 「ヒラステリオン」以外に、新約では、それと同じギリシャ語から派生した二つの言葉が使われていて、キリストが人の罪を取り除いて、人と神との関係をなだめたことを示します。一つは「ヒラスコマイ」(hilaskomai―ヘブル2:17)で、「なだめること」、すなわち、「和らげること」、一方の要求を満たすことによって和解させることを意味します。もう一つは「ヒラスモス」(hilasmos―Ⅰヨハネ2:24:10)で、「なだめるもの」、すなわち、なだめのいけにえを意味します。キリストは、わたしたちの罪のためになだめを成就されました(ヘブル2:17)。ですから、彼はわたしたちと神との間でなだめるもの、なだめの供え物となり(Ⅰヨハネ2:24:10)、さらに契約の箱の蓋で予表されているように、なだめの場所となられたのです(ヘブル9:5)。そこにおいて、わたしたちは神の御前でなだめを享受し、神はわたしたちに恵みを与えられます。』(ローマ3:25のノート2

『イエスはわたしたちの罪のためになだめをなして、神の義の要求を満たし、わたしたちと神との関係を和らげました。それは、神が平和のうちに、わたしたちに恵み深くあるためです。』(へブル2:17フットノート4

『主イエス・キリストはわたしたちの罪のために、ご自身を供え物として神にささげられました(ヘブル9:28)。それは、わたしたちの贖いのためだけでなく、神の要求が満たされ、わたしたちと神との関係がなだめられるためでもあります。ですから、彼は神の御前でのわたしたちのなだめの供え物です。』(Iヨハネ2:2フットノート1

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