魂(ψυχή<psuché>)―ヨハネ12:27
【回復訳】 今、わたしの魂は騒いでいる.わたしは何と言おうか?父よ、この時からわたしを救ってください。しかし、このためにこそ、わたしはこの時に至ったのです。
主だった日本語訳聖書はここの「psuché」を「心」と訳しています。岩波訳は回復訳聖書と同じく「魂」と訳しています。
ギリシャ語
νῦν ἡ ψυχή μου τετάρακται, καὶ τί εἴπω; Πάτερ, σῶσόν με ἐκ τῆς ὥρας ταύτης. ἀλλὰ διὰ τοῦτο ἦλθον εἰς τὴν ὥραν ταύτην.(Nestle 1904)
Strong's Concordance
psuché: breath, the soul
Original Word: ψυχή, ῆς, ἡ
Part of Speech: Noun, Feminine
Transliteration: psuché
Phonetic Spelling: (psoo-khay')
Definition: breath, the soul
Usage: (a) the vital breath, breath of life, (b) the human soul, (c) the soul as the seat of affections and will, (d) the self, (e) a human person, an individual.
解説
『主は人として、彼が受けようとしている死のゆえに、彼の魂は騒ぎました。ですから彼は、「父よ、この時からわたしを救ってください」と祈られたのです。しかし、彼の霊の中では、父の栄光を現すためにその時に至ったことを、彼は認識されたに違いありません。』(ヨハネ12:27フットノート1)
補足
「魂」について
『この言葉は、人が三部分、霊と魂と体から成ることを強く示します。霊は、わたしたちの最も深い部分、内なる器官であり、神の知覚があって、わたしたちを神に触れさせます(ヨハネ4:24.ローマ1:9)。魂は、わたしたちの自己そのもので(参照、マタイ16:26.ルカ9:25)、わたしたちの霊と体の間にあり、自己の知覚があって、わたしたちに人格を持たせます。体は、わたしたちの外側の部分、外なる器官であり、この世の知覚があって、わたしたちを物質の世界に触れさせます。体は魂を入れており、魂は霊を入れる器です。霊の中には、その霊としての神が住まわれ、魂の中には、わたしたちの自己が住み、体の中には、物質の感覚が住みます。神はまず、再生を通してわたしたちの霊を所有することで、わたしたちを聖別されます(ヨハネ3:5-6)。次に、命を与える霊としてのご自身を、わたしたちの霊から魂へと広げて、魂に浸透し、それを造り変えることで、聖別されます(ローマ12:2.Ⅱコリント3:18)。最後に、わたしたちの魂を通して、死ぬべき体を生かし(ローマ8:11、13)、彼の命の力でそれを変貌させて(ピリピ3:21)、聖別されます。ヘブル第4章12節のノート2と3を参照。』(Iテサロニケ5:23フットノート5)
「心」について
『わたしたちの心は、魂の各部分、思い、感情、意志に、わたしたちの霊の主要部分である良心を加えたものから成っています。これがわたしたちの内なる部分です。再生を通して、キリストはわたしたちの霊の中に入って来られました(Ⅱテモテ4:22)。その後、わたしたちは彼に、心のあらゆる部分へと広がっていただくようにすべきです。わたしたちの心は内なる各部分の総合計であり、内なる存在の中心ですから、キリストがわたしたちの心の中にご自身のホームを造られる時、彼は内なる部分全体を制御し、内なるあらゆる部分にご自身を供給し、増強してくださいます。』(エペソ3:17フットノート1)